大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(う)2999号 判決

被告人 木暮安平 外一名

〔抄 録〕

論旨第一点について。

原判示一の認定事実のうち所論後段部分、すなわち「更に被告人両名が木暮逸平の身体を持つて表出入口より表上庭に引ずり出したうえ該上庭より高さ約六尺位の下庭に向つて同人を投げ落し」たとの点は、原判決援用の対応証拠をはじめ原審において取り調べた全証拠によるもこれを肯認し難いのであつて右証拠と当審における事実の取調の結果とを照合考察すると、右摘示部分は「更に被告人両名は一旦表出入口に押し出された木暮逸平が再び屋内へ入ろうとするや、相共に同人の胸の辺りを強く押して表出入口の外方へ突き飛ばしたところ、同所は下向斜面となつているうえに雨後の滑り易い状況にあつたため、同人が足を滑らせて右表出入口から約九尺位前方にある高さ約五尺余の下庭に転落し」たものと認定するのが相当である。従つて、この点に関し原判決には所論の如く事実誤認の廉あるものといわなければならないが、右誤認たるや、単に原判示一の傷害の原因となつた被告人等の暴行の態様に係るものに過ぎず、しかも原判決認定の所論暴行の態様と当審認定のそれとを対比するに、前者が後者よりも多少犯情の重いものと認められるにしても、両者の認定の相違が判決に影響を及ぼすこと明らかであるとは断じ難い。それゆえ所論は結局、理由なきに帰するので、論旨はこれを排斥するの外はない。

(谷中 坂間 荒川)

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